台風19号で感じたこと

台風19号で亡くなられた方々に心からご冥福をお祈りいたします。
多くの地域で停電、断水をしています。
被災されたみなさまの安全と、一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。

台風19号の大きな爪痕、テレビから氾濫した河川やその周辺の映像が流れるたびに、言葉を失います。

このような台風に今後どう備えるか、私自身のこの日の行動を振り返り、感じたこと、気づいたことをお伝えします(あくまでも私見です)。

台風19号の接近に伴い渋谷区は前日10月11日(金)から自主避難施設を設置することを決定し、10月12日には当初予定されていた3カ所から10カ所に増やし、福祉避難所も3カ所設置、ペットと一緒に避難できる避難所も開設しました。

JR、私鉄などの交通機関も10月12日(土)の午後にはすべての運行取り止めとの発表がされてました。

10月12日(土)は古くからの大切な友人の告別式があったので代々幡斎場に行きました。
帰りは午後になるため、電車の運休で徒歩での帰宅を覚悟していましたが運良くタクシーが拾えて友人たちを送りながら西原から恵比寿まで帰ってきました。

徒歩での帰宅に備えてレインコートとレインブーツで出かけて行きました。

強い雨が降る中、代々木上原、富ヶ谷の交差点から山手通り、そして旧山手通りを取り恵比寿へと戻りました。
歩いている人はほぼいませんでたし車の数も少なく、いつもなら空いてるはずのコンビニエンスストアもほとんど閉まっていました。
恵比寿の駅周辺も歩いている人はほとんど見ることがなく、街中が台風に備えていいました。

一旦自宅に戻ってから、歩いて自主避難所に指定されている「地域交流センター恵比寿」「ひがし健康プラザ」に立ち寄り、状況を確認。

通りかかった渋谷川の水位はかなり上がっていました。

時間が経ち、台風が近づくにつれ自主避難所に来る人は増えました。

ひがし健康プラザは「福祉避難所」にも指定されており、はやい時点からご高齢者やお子様連れの方などが避難にいらっしゃいました。
追ってペットと一緒に避難できる部屋、夕方には女性限定の部屋なども設置されました。
施設内には渋谷区の職員、また各施設の現場職員たちがいて、しっかり対応してくださっていました。
館内には毛布も用意がされていました。

こうした大雨や台風の時の避難施設の開設については2018年3月の本会議で提案し、その年の8月の台風13号の時に初めて自主避難所が「地域交流センター恵比寿」「ひがし健康プラザ」に水害対策として設置されました。

その時は利用された方はほとんどいませんでしたが、その時の開設が今回の開設、運営にも生きたと思います。

自主避難所のチェックが終わってからは、私は恵比寿・代官山地区の消防団に入っていますので、消防団員として参集、情報収集しながら地域を見てまわりました。
これまで台風の時など消防団で参集、パトロールなどをしてきた経験から地域の浸水地区のチェックや街路樹の折木などのチェックをしました。
今回の台風は雨の量が非常に多かったのですが、場所によっては非常に風の強い場所もありました。

いつも水が溜まる場所の側溝の蓋部分は掃除してあって、ごみなどで水の通り道がふさがれることもなかったようです。
近隣の方や商店街、また区の職員が事前に掃除をしてくださっていたのだと思います。ありがとうございます。

浸水対策については私が区議会議員になってから知っているだけでも以下のような取組みが行われてきました。
・恵比寿南でこれまで度々浸水した場所での東京都下水道局による地下下水道工事
・渋谷駅周辺では渋谷駅西口の貯留施設の完了(東口の施設はもうすぐ完了します)
渋谷川・古川は「古川地下調節池整備」
このように都市型の浸水被害軽減対策がとられています。

東京都下水道局のホームページも参考になります。

またこうした対策をとられた地域にお住まいの方たちも、万が一に備えて対応されていました。

反対にこれまで水の流れを見ることがなかったような道路に水が流れる箇所があったり、風の通り道となったのか強風の吹く場所もありました。

おそらくビルやマンションが建てられ風や水の流れが変わったのでしょう。
いままでの台風では特に問題なかった横断歩道が、暴風で電信柱をつかまなければ立っていられないような場所もありました。

やはりいつでもどこでも備えは必要ということを感じました。

レベル4避難勧告が発令され、その後台風が近づくにつれ雨が強くなりました。
その雨が強く降っている時間帯外をパトロールをしておりましたが、大雨そして風の中を荷物をもって避難所に移動するのは大変だと感じました。
避難所に行くには最低限ご自分の食べ物や飲料は持っていく必要があります。
猛烈な雨の中、そして暗くなってからの移動は本当に大変です。
雨が少量でも強風でものが飛んでくる可能性もあり、特にお子様を連れての移動は危険です。
ご高齢者やお子様連れ、またペットのゲージを持っての移動は早い段階がよいと感じました。

また、区のホームページには「区内在勤者等、区民の方以外の利用はできません」とされていますが、あのような大雨・強風の中、避難所にたどり着いた方を断るということはないと思います。
渋谷区民が地方や他区の避難所を利用させていただくこともあろうかと思います。
こうした時はお互い様でもあり、ご自身の命を守ってほしいと思います。

消防団で活動中も電車は動いてなかったため、駅前もほとんど人はおらず、コンビニエンスストアやスーパー、飲食店も閉まっていたので、外を歩いている人はほとんどいませんでした。

今回の避難勧告が発令され、すぐに避難所に行かなければいけないの?というお問合せをいただきました。
台風のように大雨の心配の時は2階以上の建物内の垂直移動も避難と言えます。

私は台風に備えてモバイルバッテリーのフル充電と懐中電灯の電池を確認、お風呂にお水をためたのと、冷凍庫にペットボトルのお水を凍らして停電に備えました。
食べ物は1日、2日くらいはいつも自宅にあるお水や缶詰や麺類でなんとかなると特に何もしませんでした。
区議会議員になる前に、朝の出勤前に住んでいる地域が停電になったことがあり、まだスマホもない時代、情報がつかめない中でテレビはつかず、マンションなので水も出なくなってしまいました。
それ以来停電と断水はセットと思って備えています。

いつくるかわからない地震の時の避難所と、あらかじめ予想されている台風の時の避難所のあり方は異なると思います。
いままではどちらかというと地震の時の避難がクローズアップされていましたが、今後はこうした水害に対してのより良い避難所のあり方の対応の検討も必要ですね。

今回の台風の風で窓ガラス対策をされた方もいらっしゃったかと思います。
渋谷区では防災対策で一般向け家具転倒防止金具等購入費用の補助事業を行っています。

対象は「住んでいる自宅」が対象。

次の家具等に取り付けた家具転倒防止金具等の購入費用を補助するというもの。

・たんす、食器棚、本棚その他これらに類する床置き型の家具および冷蔵庫、テレビなどで地震災害時に転倒する恐れのあるもの
・窓ガラスおよび食器棚、本棚等に付随するガラスなどで、地震災害時に飛散する恐れのあるもの
・天井吊り下げ式照明器具などで、地震災害時に落下する恐れのあるもの

そうです!ガラスの飛散防止フィルムも対象です。
補助費用は購入に要した費用の全額、上限は上限10,000円です。
私もこの補助事業を利用して、食器棚などの扉の開封ロックなどを購入しました。
金額は数千円でしたが、こうした備えをするきっかけ、背中を押してくれる事業だと思いました。
ぜひ、こういう制度を利用して震災、水害対策をなさってください!
詳しくはこちらをご確認ください。

翌日の早朝、被害のあったところなど無いか家の前をお掃除されている方たちにお声をかけながら地域をまわりました。
渋谷川の水位は下がっており、空は雲一つない青空が広がっていました。