災害時の自治体の情報発信のあり方について

この度の大雨でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

九州、西日本、そして日本全国で大雨が強くなってきています。
川の冠水や土砂崩れなどの被害が出ており、避難所の開設情報などニュースで流れており状況が心配されます。
渋谷区でも洪水注意報、大雨注意報の発表を知らせる「しぶや安全・安心メール」を受信しました。

親戚や知り合いが住んでいる地域が気になってHPにアクセスしたところ、自治体のHPでの伝え方に違いがあることに気づきました。

そこで今日のブログは災害時のホームページから見えてくる情報発信の伝え方についてです。
2019年の台風19号の際、渋谷区はいち早く自主避難施設を開設しました。
しかし、そうした情報はSNSでの発信は早かったものの、慣れていない人はHPを見てもどこにその情報が載っている見つからず、入手できなくて困ったというお声をいただきました。

今、川の冠水や土砂災害など被害のあった自治体の災害時のHPを見ると、見せ方・伝え方は様々です。
そんな中、被害状況や避難所情報の最新情報をわかりやすく、また危機意識が伝わってくる自治体のHPがあり、渋谷区でも災害時のHPの伝え方として参考になると感じました。

こちらは2021.08.15 0:30現在の渋谷区のHPです。

こちらはスマートフォンで見たときの渋谷区のHPです。

渋谷区HP
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/index.html

渋谷区は防災ポータルサイトがあります。
災害時はこちらの情報も確認ください。
https://bosai.city.shibuya.tokyo.jp/

下記は8月15日0:30の大牟田市のホームページです。
トップに大きく大雨情報がでていて「防災リアルタイム情報」にすぐにアクセスできます。

大牟田市のHPのスマートフォン版。
下にスクロールしなくても状況がわかります。

防災リアルタイム情報 利用規約 というページもあります。
なるほど、参考になります。

大牟田市の防災リアルタイム情報には「避難所」「避難状況」「河水浸水想定地域」「土石流」「急傾斜」などが地図上に示されて、これはわかりやすい。

こちらは「被害情報」を示しています

「避難所」情報にカーソルをもっていくと

施設名 :●●小学校
開設状況:開設中
混雑状況:混雑していません


という情報も表示されておりわかりやすい。
これならすぐに動けますね。

こちらは鳥栖市。
トップページ全面に災害情報が表示されています。

こちらは鳥栖市のスマートフォン版

下記、鳥栖市の「避難」についての伝え方、これはわかりやすいです。
「避難」とは「難」を「避ける」。
安全な場所にいる方は避難所まで行く必要がありません。

安全な近隣の親戚、知人宅への避難も検討してください。
とあります。

渋谷区ですと、台風や大雨の場合は
「避難」とは「難」を「避ける」。
安全な場所にいる方は避難所まで行く必要がありません。

避難所への避難のほか、2階以上の建物への避難、安全な近隣の親戚、知人宅への避難も検討してください」
という表現でしょうか。

下記に示されているように、避難される場合のものとして「薬、マスク等」としていれば身軽に移動ができますね。
以前、自主避難施設に杖をついて、たくさんの荷物をもって雨に濡れながら、移動されていた方を見かけました。
雨や風が強い時は移動の安全を考えて、避難所滞在は雨が止むまでの間ということで割り切って「薬、マスク等」など健康にかかわるもの最小限を持参して、身軽に移動するということも大切だと気づきました。

下記は佐賀市のホームページのトップです。
「※大雨による避難所開設に伴い、ホームページへのアクセス集中が予想されるため、表示を緊急時モードに切り替えています。」
となっていました。
たしかにホームページへのアクセスが集中した時のことを想定してこうしてモードを切り替えておくというのも参考になります。

こちらは佐賀市のスマートフォン版。

時系列で対応が書かれていました。
最新情報がすぐに見てわかります。

避難所を訪れている人たちの情報も
「午後22時時点」時間と人数も伝えています。

また下記では特別な配慮が必要な方向けには
「※特別な配慮が必要な方(同伴するご家族等の介助により避難所で過ごすことができる高齢者や障がい者等)を対象とした福祉避難スペースを各避難所に確保することができます。

※人工呼吸器等で電源の確保が必要な方は事前に☏40-xxxxまでご連絡ください。更新してください。」
というサポートもあります。

移動の困難なご高齢者や障がい者、そのご家族にとっては安心ですね。

下記は久留米市のHPです。
トップページで情報がわかりやすく入手でき、緊急事態!ということが伝わってきます。

久留米市のスマートフォン版です。
こちらもわかりやすい。

下記は渋谷区が防災協定を結んでいる佐世保市のHPです。
こちらもわかりやすいですね。

特に佐世保市のホームページは避難所情報がわかりやすかったです。

避難所の開設状況、避難所の地図がワンクリックで出てきて便利です。

下記は広島市のホームページトップです。

広島市は「公式ホームページ通常版」と「新型コロナウィルス感染症に関する情報」が選べるようになっていました。
この見せ方も参考になります。

広島市スマートフォン版。

以上、災害時における自治体のホームページから伝わりやすい見せ方をしているものをご紹介しました。
ここではご紹介していませんが、自治体によっては通常のホームページで、災害情報がすぐに目に入らず、あまり危機感が伝わってこないものありました。

災害時については、みなさん災害情報をもとめて自治体のHPにアクセスするはずなので、瞬時に目的の情報が見つかる発信はありがたいと思いました。

防災ポータルサイトやSNSでの情報発信もありますが、まずはホームページにアクセスする方は多いはずですので、トップページからすぐに災害情報が見つけやすく、ピンポイントで情報が入手できる発信は重要だと感じました。
特に災害時は停電の可能性もあります。
スマートフォンやパソコンの充電状況を気にしながらアクセスすることもあるかもしれません。
災害時においては区役所への電話もつながりにくくなるでしょうから、トップページの情報発信が明確だと助かりますよね。
渋谷区の災害時におけるホームページの情報発信方法の伝え方、また、感染症関連の情報発信についても参考になることがありました。
今後防災所管の総務委員会等に置いても提案してみます。

この後も天気予報をしっかりご確認いただき、くれぐれもお気をつけてお過ごしください。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

(このブログでご紹介した各自治体のHPの情報は2021.8.15現在です。)