障害者にとってのバリアとは…。本のご紹介「ハーベン」

いつも有難うございます。岡田マリです。

今日のブログは最近読んだ本「ハーベン」についてです。

ハーベンはハーバード大学法科大学院 を視覚と聴覚に障害のある盲ろう者で初めて卒業、卒業後は 弁護士や講演家として活躍、障がい者のアクセシビリティの向上に奔走します。
学生時代にはアフリカで学校を作るボランティアに参加、学生生活、大学での寮生活、氷山を登ったり、オバマ大統領との会見、スピーチなどに挑戦、またルイジアナ州の視覚障害者センター、盲導犬と出会った盲導犬訓練センターなど障がい者の施設の運営についても学びがあり、障がい者福祉についての考え方をも考えさせられる本でした。

障がい者の障害がバリアなのではなく、バリアとは「社会的バリア」「物理的バリア」そして「デジタル上のバリア」なのであって、これらのバリアを外すことの重要性、ヒントが伝わってきます。

ハーベンは盲目とは単に視覚がないことでそれ以上でもそれ以下でもないと言います。
アクセシビリティの重要性、ハーベンが日常で使用している携帯型点字対応コンピューター、こうしたアクセシビリティの進歩により伝えることのバリアがなくなり、大学院でも仕事も日常でもコミュニケーションの問題はなくなります。

組織はアクセシビリティに投資することにより成長促進につながる、これは渋谷区でもいえることだと感じました。
また障がい者について発信していきたい肯定的なメッセージ、否定的な、メッセージ、障がい者と話すときに気を付けることなど、この本から学んだことはとても大きかったです。

この本の中で「エイブリズム」という言葉を初めて知りました。
「エイブリズム」とは障害を持たない人に比べて、障害を持つ人々は劣っている、障害がある人をどこかでのけもの扱いしてしまう非障害者優先主義、健常者主義という思想だそうです。
ableism“、そういえば健常者をNon-disabled person というのでそのableからきているのでしょう。
「障害があってかわいそうだから…」
「目が見えないのだったら危ないからあそこに行くのはやめたほうがよい」
というのもエイブリズムにあたるのだそうです。

多様性のイメージの強い米国でも多くの課題がある中で、ハーベンの働きによりITにおけるアクセシビリティを進歩させ、大きな課題が解決の方向に動きつつあり、障がい者にとって大きな後押しとなります。
渋谷区の取組みにおいてもアクセシビリティの課題は感じます。
例えば保育園入園申請の予約方法、また最近では感染症のワクチン予約方法。
初回はワクチン数が少なかったこともあり、ネットで予約した人で確保されていたワクチンは終了してしまい、高齢者のみなさんは大変な苦労をしました。
その後、改善されましたが、区民のみなさん全員に効率的に予約をしてもらうためには、あらゆる手法でアクセシビリティについて第一に考えなければならない、ということをあらためて学びました。

「ちがいをちからに変える街。渋谷区」においてまだまだできることがたくさんあると感じました。

最後まで読んでいただき、有難うございました。