全ての個性にハッピーを!

発達障害の子どものための放課後デイサービス「エジソン放課後・高津」 に行って来ました。

集合写真

昨年の夏にも同じ系列が運営している「アインシュタイン放課後・宮前平」に
おじゃましました。

代表は佐藤典雅さん、福祉業界出身ではなく、IT企業、ファッションイベント
プロデューサーとして活躍されてたのですが、自閉症の息子さんのために
ロスアンジェルスに家族で引っ越し、米国で療育を受け、9年後に日本に
帰国した経歴の方です。

その経験から、日本では自閉症向けの受け皿が限られていると実感、それから
佐藤さんは息子さんのために最良の教室を創ってしまおうと奮起して創ったのが、
約1年半前に設立された「アインシュタイン放課後・宮前平」、そして「エジソン放課後・高津」です。

さらに佐藤さんはこの度
「療育なんかいらない! – 発達障害のキッズの子育ては、周りがあわせたほうがうまくいく」
と言うタイトルの本を出版されました。

私はこれまで自閉症の子どもたちと会う機会がありましたが、どう対応するのがいいのか、
戸惑いがあることもありました。
でもこの佐藤さんの本を読んで、これまでの私の中の何かモヤっとした霞が晴れたような気がしました。

さっそく、私が健康維持のために通っているキックボクシングジム代表の新田明臣さんたちと、「エジソン放課後」に行ってきました。
本を持つ新田さん

とあるビルのワンフロア、中に入ると各部屋はビビットな色、洒落た照明、
思わず座りたくなる大きなソファ、楽しそうなトランポリン、パソコンルームは
床に座ってリラックスできるスペース、大きい作業テーブル、キッチン&ダイニング、
押入れの中も思わず入りたくなってしまうカラフルな色…と、
居心地の良さそうな空間が広がっていました。
アインシュタイン

カラフルな押入れは不思議な空間。
撮影場所は

新田さんはVR(仮想現実)の機械に興味津々。
大人も夢中

しばらくすると子どもたちが到着。
おもいおもいにパソコンルームで集中している子、ダンボールに絵を書いている子、
トランポリンではねている子、とそれぞれお気に入りの場所で
過ごしはじめました。
パソコンルームで新田さんと

そう、ここは自閉症キッズがありのままですごせる「居場所」。

こちらの男の子はダンボールで「カモ」作り。
かもを作っています

その瞬時のひらめきと集中力でみるみるうちにダンボールが水辺に浮かぶカモ
に変わっていきました。
かもを作ったよ

そして誕生日会ではみんなでお祝い!
誕生日

「エジソン・高津」ではみんなが興味のあることを自由に黙々と取組む姿がありました。
そして何よりも施設自体がとってもリラックスできる空間。
初めて訪れた私たちも自分のおうちに帰って来たかのようにホッとできる空間。
これまでに見たことのない福祉の施設。

代表の佐藤さんは自閉症の子どもたちの特性を見抜き、未来を切りひらくプロデューサー、子どもが自分たちの感情を表現したり引き出すことのできるプログラムを用意、
自閉症キッズが自分自身でいられる環境を創っています。

代表の佐藤さんは本の中で

「多動症は注意欠陥ではなく注意過剰症でいっぺんに複数の物事に注意がいくから落ち着かない、つまりは情報処理が早い天才肌」と述べられています。
たしかにここにいる子どもたちは私たち来訪者に興味深そうに一瞬すっとやって来てはくれますが、目を合わせたりはしません。ですがそのような中で実は瞬時に多くのことを理解しているのかもしれません。
「なるほどなあ」と思えてきました。

のりさんと

佐藤さんは通っている子どもたちだけでなく、親御さんたちにも大きなサポートをしています。

「自閉症の子は、自分のことを可哀想だなんて、1ミリも思ってはいませんよ!」だって生まれた時から、自閉症としての感覚が普通だから。
自閉症の子育ては大変だけど、だからと言って不幸なわけではない。
お子さんの障害は親のせいではない。
子育ての本質を楽しむこと、お母さんはきれいであること、子どもはだれだってキレイなお母さんが好きに決まっている!と力強く主張されています。

佐藤さんにはこの先自閉症キッズの老後まで生涯のケアができるインフラを用意したい、というビジョンがあります。
そして自閉症に対する味方をもっと増やていきたい、との思いがあります。

佐藤さんの取組みは自閉症の子どもたちの未来を大きく変えそうです。
思い悩む親御さんにとっても大きな安心感へとつながります。

「全ての個性にハッピーを!」佐藤さんの思い、ブログ、そして「療育なんかいらない」
をぜひ読んでいただきたいです。

*私は療育がいらない、という意見には全面的な賛成はしかねると思っています。発達障害の子どもたちの中には療育を受けたほうが好ましい子どもたちもいるのではと思っているからです。
ただ、この本の中には自閉症キッズのことを知ってみようというヒントや全ての子育て中の親御さんにも伝えたいメッセージが散りばめられており、ぜひ皆さまに読んでいただきたいと思って紹介させていただきました。