質問報告4 – 図書館をよりダイバーシティ&インクルージョンに

いつも有難うございます。岡田マリです。

緊急事態宣言が再び発令されました。
新型コロナウィルス感染症にかかわる施設の開館状況はこちら
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/kenko/kansen/corona_kyukan.html
をご確認ください。
また、延期・中止となるイベント等についてはこちらです
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/kenko/kansen/corona_eventinfo.html
みなさまのご協力、よろしくお願いいたします。

さて、今日は第2回定例会で行った代表質問の中から「りんごの棚」プロジェクトについてです。

渋谷区内には様々な施設があります。
「地域包括支援センター」→ シニアの総合相談窓口
「子育て支援センター」→ 就学前の親子が利用できる子育て施設
「教育センター」→ 学校のことや不登校など相談できる窓口
「子ども科学センター ハチラボ」→ 子どもたちがわくわくするような科学や実験が体験できるセンター
「子ども発達相談センター」→ お子さんの発達で心配な方が相談できます
「障がい者福祉センター はぁとぴあ原宿」→ 障がい者の相談支援、日中一次支援、入所支援など
「渋谷生涯活躍ネットワーク シブカツ」→ プレシニア世代からアクティブシニア世代のみなさんの新たな活躍の場の提供の施設
などなど。

これらの施設は特定の属性の人がその施設を利用します。
そんな中、図書館は年齢、性別、障がいの有無など属性関係なく、誰もが大手を振って気軽に一人で行ける施設なんです。
こんな当たり前にダイバーシティ&インクルージョンの施設をもっとダイバーシティにしていくために「りんごの棚」の設置を提案しました。

上の写真は「りんごプロジェクト」のシンボルマーク。
「りんごのプロジェクト」はスウェーデンで始まった「すべての子どもたちが読書の喜びを体験する権利がある」というスローガンから始まった取り組みです。
このりんごのシンボルの棚にはアクセシビリティ図書を展示します。
アクセシビリティ図書とは本を読むのが難しいお子さんのための読書支援の本です。
例えば
1 視覚に障害のある場合
2 発達障がいなどでうまく内容がわからない場合
3 肢体不自由や病気などで本が持てない、ページがめくれない場合

こうした方々にとって普通の本が読めなくても、下記のような方法で読書ができます。
1.大きな文字の読書:大活字本、拡大読書器
2.耳で聞く読書:親や先生などに読んでもらう、デジタル録音図書でデイジー
3.触る読書:点字、点字付き絵本、ユニバーサル絵本、布の絵本
4.耳と目で読む読書:マルチメディアデイジー(パソコン、スマホ、タブレット)、音声解説や字幕の入った映像資料
5.優しくわかりやすい内容の本で読書:LLブック(下記写真)、ピクトグラム

LLブック

「LL」とは、スウェーデン語の「LättLäst」(英語ではeasy to read)の略です。
LLブックとは難しい漢字や長い文が使われていない、やさしく読みやすい本です。

これらアクセシビリティ図書は渋谷区の図書館にもありますが、LLブックの仕事についての本は「しごと」というカテゴリーの本棚になるので、なかなか気づかないかもしれません。
また大きな活字の本は外国語の本で同じ本棚にあったり、とやはりこちらも気づきにくいかもしれません。
そこで「りんごの棚」を図書館のわかりやすいところに設置をすれば、障がいの有無にかかわらず誰もが手に取り、知ることができます。

LLブックを手にしたことで集中して本を読むことができ、実は本人もご家族も気づかなかった学習障がいだったため、集中して本を読むことが苦手だったのです。
しかし、LLブックを通して実は本が好きだったということがわかったということもありました。

また視力低下で読書から離れていた人は大活字本によってまた本を読むきっかけとなったということもありました。

私もアクセシビリティ図書を手に取って、実際に読んでみると、その書き方や見せ方でとてもわかりやすく、本のストーリーがしっかり頭に入ってきます。
きっと学校の先生なども参考になると思います。

アクセシビリティ図書はただその本を手に取るだけでは気づきにくいので、「りんごの棚」を設置し、図書館の職員もこれらの本について理解、把握し、積極的にPRしていただけるとさらにみなさんの理解も広がります。

図書館内で関連の講演などイベントなどもできたらと思います。

障がいの有無にかかわらず、だれもが気軽に利用する図書館だからこそ、インクルーシブの情報に触れる機会を広げていくことも可能ですよね。

「りんごの棚」の設置の質問に対して、教育長の答弁は
『一つのコーナーで幅広いインクルーシブ情報に触れることができ、すべての人が楽しみ、学び合い、ひいては様々な人が交流できる場になる可能性もあると思います。
図書館の規模に応じて工夫し、順次『りんごの棚』を設置していきます。

図書館職員にアクセスビリティな図書について館内で研修を行うなどして再認識させ、積極的にアピールしていきます』

というとても前向きな答弁をいただきました。

障がい者向けの本のほかに、外国語の本やLGBTQ関連の本なども揃えるということも提案しました。

この質問を準備を通してアクセシビリティ図書について調査したのですが、「布の絵本」を自分でも作ってみることにしました。

主にフエルトでできていて、凸凹もあり、触って読む本です。
早速キッドが届きました。

がんばってチクチク縫ってみます。
またこのブログでご報告させていただきます。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。