約4,500年前、縄文人の生活が代々木八幡宮にありました


代々木八幡宮の境内に縄文時代の復元住居が修繕され、工事完成記念式典に出席いたしました。

きっかけは昭和25年、代々木八幡宮の先代の宮司さんが掃き掃除の時に土器のかけらを度々発見、当時の上原中学校の先生に相談しました。
すると先生は当時の上原中学3回生の生徒たちと発掘をはじめ、150センチメートルほど掘ってボーリング調査をしたそうです。
そこから出てきたものをきれいに洗うなどした結果、それがきっかけで渋谷区編纂委員会による本格的な発掘調査が始まり、縄文時代の住居跡が2軒発見され、土器などもたくさん出てきたそうです。

そしてこの度、その竪穴式住居が修繕され、美しくなりました。

当日は昭和25年に発掘調査をした当時中学生だったみなさんも出席され、紹介がありました。
会場からの温かい心からの拍手とみなさんのうれしそうな笑顔が素敵でした。

講演では縄文時代の生活についてお話しを伺いました。
4,500年前の生活はとても豊かで
春:ワラビ、ゼンマイ、ノビル
夏:イワシ、タイ、ハマグリ、アサリ、コンブなどの海の恵み
秋:クリ、クルミなどを生でもそして焼いて焼き菓子のようにして食べていたそうです
冬:ウサギ、シカ、ドングリをたっぷり食べたイノシシなどジビエを食し、その毛皮は衣類になったそうです。
四季折々の食材を素材を生かして食べていたようです。

その当時の鍋を縄文土器で再現したものをいただきました。


縄文土器は遠赤外線効果があり、お肉はしっとりやわらかくなり、とても温まります。


ちなみに鍋の具はシカ肉、マイタケ、ブナシメジ、なめこ、ゴボウ、サトイモと同じ材料で今作ってもおいしく食すことができる材料です。

復元住居の中は入ることもできます。

中は広くて大人も十分立つことができます。
この日は寒い日でしたが、中はとても暖かかったです。
夏は涼しく台風の時でも雨漏りなど一切ないそうです。
縄文時代の住居はとても心地いものでした。


現在ではこうした藁葺きの技術をもっている職人さんは少なくなっているそうですが、こんなに美しく修繕されました、ありがたいですね。

当時の子どもたちは学校に行くことはなかったそうですが、日常生活から、また兄弟や村の子どもたちと遊びながら生活の知恵をつけていたったそうです。

写真は新潟県で発掘された土器だそうですが色もデザインもとても美しかったです。
この時代の土器は決して実用的ではないのですが、美しくデザインが施されており豊かな生活が垣間見れます。

復元住居は代々木八幡宮の敷地内、鳥居をくぐってすぐ右手にあります。

この地に縄文時代に村があって100名くらいの人たちが暮らしていたことがわかっているそうです。
今代々木の地もたくさんのビルやマンションが建っています。
809年前に代々木八幡宮が創建されたおかげで、代々木八幡宮の境内で縄文時代の息吹が守られ、歴史がひも解かれました。

地域の歴史を知るということは郷土愛が育まれることにつながります。
4,500年前からこの地に人が暮らしていた、豊かな生活があったということを知ることにより、また実際の訪れることにより、古代の人から力をもらったような、元気になった感じがします。

ぜひみなさまもお足をお運びください。