大阪視察~羽田空港増便の渋谷区上空飛行について~
2017年02月01日
国土交通省は、訪日外国人旅行者の増加、国内各地への経済効果の波及を通じた地方活性化から羽田空港の更なる機能強化の具体化に向けて、2020年に向けて国際便の増便を提案しています。
>>国土交通省ホームページ
羽田空港増便の渋谷区上空飛行経路について
渋谷区はA滑走路とC滑走路の2本が飛行経路となっています。
新たな飛行経路案
- A滑走路:初台(約900m) → 代々木八幡(約760m) → 渋谷(約610m) → 恵比寿(約610m)
- C滑走路:代々木(約900m) → 千駄ヶ谷(約760) → 広尾(約610m)
- 南風時:夏場によく見られ、運用全体の約4割
- 運用時間帯:南風時の15:00~19:00
- 高度:600m ~ 900m (東京スカイツリーの高さが634m)
- 騒音:68dB(デシベル)~ 74dB(デシベル)
- 本数:A滑走路:1時間に14便(約4分に1本)、C滑走路:1時間に30便(2分に1本)
音の大きさの目安
- 自動車:瞬間最大で約70~85dB程度
- コンビニの店内:常時60dB程度
- エアコン(室内):常時50dB程度
参考資料:騒音の目安について
(出典 「全国環境研協議会 騒音小委員会)
渋谷区ニュース平成28年9月15日にも詳しく掲載されています。
>>渋谷区ニュース平成28年9月15日(PDF)
都市部での航空経路下である大阪視察
今回、会派「シブヤを笑顔にする会」のメンバー5人で実際に渋谷区内を飛行すると想定した際の高さでの航空機騒音現地調査で大阪市に視察に行きました。
東京都近郊でも同じくらいの高度の場所での視察も検討したのですが、周囲に何もない環境のところが多く、できるだけ渋谷区内と同じような環境でと言うことで大阪市を選びました。
大阪市内は大阪国際空港の着陸航路下に位置しており、市内東部から北西側に高度約860m~260mに向けて着陸機が飛行します。
大阪市環境局環境管理部環境管理課の職員が対応下さいました。
まずは現地調査。
渋谷区とほぼ同じ高度を通過するということで大阪市城東区役所の4回吹き抜けスペースにて現地調査を行いました。
この日はあいにくの雨。それでもあらかじめ騒音計とレベルレコーダー、そしてテントを準備して下さっていました。
いよいよ実測。小型機では63くらいから、68dB、70dB…など、そして大きいボーイングタイプでは76dBという数値でした
実際に音を聞いてみると、76dbになると少し大きくはなりますが、そんなに気になるという感じではありませんでした。
渋谷区内でも度々ヘリコプターが飛んでいるのを見ますが、実際ヘリコプターの音のほうが大きいと感じました。
視覚的にも機体は思ったほど近くに見えるというほどでもありません。
ただ、城東区役所周辺は比較的低層階の建物が多く、建物の反響が影響するということはあまり無さそうですね。
雨の中しばらく現地調査をしてから、説明を聞きに大阪市役所へ移動し説明聴取。
現在大阪市における運用時間帯は7:00 ~ 21:00、ほぼ2分に1本飛行しているそうです。
大阪での説明聴取の中でのやりとり
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大阪市における航空機の騒音・振動対策全般における取組について
- 航空機騒音の現況を毎年10月に3日間行い、航空機騒音の現状の把握に努める
- 振動については特に市民からの苦情もないため対策は特に行っていない
- 生活保護等世帯に対し、夏季のエアコンの電気代の一部を補助(こちらは国の補助と合わせて行っている)。平成27年の申請は5件。
- 共同利用施設の整備・維持管理:国や府の補助を受けて学習、集会、保育等として利用できるよう共同利用施設を整備。大阪市は維持管理を行っている。*現在大阪市における運用時間帯は7:00 ~ 21:00、以前は24時間。
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航空機の騒音・振動について、どのような苦情・相談があるか?また氷塊等の落下物はこれまでどのくらいあったか?
- 上空2,000ft~3,000ftを通過する地域で大阪市に寄せられている苦情は年間数件。平成27年度は5件、28年度上半期は1件。
- 平成24年度から5年間の大阪市の航空機に関する苦情のうち、約72%(26件)がヘリコプターの騒音、17%(6件)が大阪国際空港着陸航路における騒音もあった。
- 氷塊等の落下物についてはこれまで確認ができていない
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航空機の小型化や技術革新が進んだことにより、環境への影響の変化について
- 昭和の時から比較すると大幅に改善傾向。
- その他、大阪市は独自に新関西空港株式会社あてに空港機騒音の状況と今後の見込みについて求めている。
大阪市の職員のみなさまには丁寧に対応いただき、心から感謝申し上げます。
国際線増便について
羽田空港の国際線増便のための住民説明会を国土交通省が下記の日程で開催します。
いずれもオープンハウス型の住民説明会。
職員が常駐し、来場者にマンツーマンで対応。
実際の音を体験できる機器等も用意する予定。
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2月 15 日(水) 14:00~19:00
「田道住区センター」 第2、3会議室
目黒区目黒1-25-26
田道ふれあい館(目黒川沿い) JR・東急目黒線 目黒駅から徒歩10分、恵比寿駅徒歩15分 https://www.city.meguro.tokyo.jp/shisetsu/shisetsu/juku_center/dendo.html -
3月1日(水)14:00~19:00
「中野区産業振興センター」2階セミナールーム2
中野区中野2-13-14 JR中野駅南口下車 徒歩5分
http://nakano-sangyoushinkou.jp/access -
3月 11 日(土) 11:00~16:00
「地域交流センター恵比寿」1階区民交流室C
渋谷区恵比寿西2-8-1
JR・東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」 5分
【交通】ハチ公バス 恵比寿・代官山循環「夕やけこやけルート」 「13・25恵比寿区民施設」すぐ
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/koryu/koryu_ebisu.html
その他の地域での説明会の開催予定はこちら
https://www.mlit.go.jp/koku/haneda/news/i/20161118_5.pdf
https://www.mlit.go.jp/koku/haneda/news/i/20161118_2.pdf
「羽田空港のこれから」についてのメールフォームでのお問合せ、お電話でのお問合せはこちらです。
https://www.mlit.go.jp/koku/haneda/cgi-bin/webform.cgi
渋谷区から国への意見書
尚、渋谷区議会では平成28年6月に国土交通大臣に下記の意見書を提出しています。
平成28年第2回定例会
羽田空港新飛行経路案の安全上の課題等に関する意見書
国土交通省は、羽田空港の機能強化のためとして、午後3時から7時までの間、南風運用時に都心上空を通過する新たな飛行ルートを設定し、渋谷区の代々木から広尾の飛行ルートと初台から恵比寿の飛行ルートで、上空900メートルから600メートルを飛行して滑走路に進入する案を示している。
本区内において最も高度の低い地域では、航空機の音は68から74デシベルが想定されており、騒音や落下物に対する不安の声が上がっている。
よって、渋谷区議会は政府に対し、区民の不安の解消に努め、安全上の課題等について区民から出された意見を真摯に受け止め、対応するよう要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年6月22日
渋谷区議会議長名
国土交通大臣 あて