介護ストーリー

もしかして認知症?

私は40代の会社員です。日々、仕事に追われる毎日だったのが、突然の母の認知症で、それまでまったく知らなかった介護保険や区の支援について知るようになりました。

74歳の父と68歳の母は元気に渋谷区内で2人で暮らしています。

総務省の統計によると平成28年1月、日本全国の65歳以上の高齢者人口は3,404万人(2010年は2,944万)で、総人口に占める割合は26.8%(2010年は23.1%)となっています。
ちなみに渋谷区では65歳以上の高齢者は2016/1/1現在、全人口219,898人のうち19.15%です(2010年は19万6817人のうち19.0%)。 

あなたの大切な人が要介護に!

そのとき、家族だけでは頑張れないことや行政の支援を利用することを知りました。

父と母は年金生活の二人暮らし。
父は60歳でそれまで勤めていたメーカーを定年退職しました。
退職後しばらくは時間をもてあましていましたが、数年前からは*1「シルバー人材センター」に登録して就労しながら地域貢献の楽しみを知ったようです。
そのほか、近くの図書館に行ったり、*2「スポーツ施設」を利用したり、孫たちと時々会うのを楽しみにしています。
母は私を含む2人の子どもを育て上げました。
父と母は父の定年退職を機に渋谷区に引っ越してきたので、近所づき合いはほとんどありません。
父と母の楽しみは二人で1年に一回、渋谷区の保養所*3「二の平渋谷荘」に行くこと。

いつも仕事に忙しそうにしている私を気遣ってかめったに連絡をしてこない父が、ある日、母の状態がここのところおかしい、と電話をかけてきました。「もしかして認知症?」「まさか自分の親が?」と半信半疑で次の日に実家に戻りました。普通に話をしていていつもとあまり様子は変わりませんが不安に思い、まずは区役所に電話をしてみると*4「介護保険課 介護相談係」につないでくれました。そこで*5「地域包括支援センター」の存在を教えてもらいました。
「地域包括支援センター」は渋谷区内には地区ごとに計11カ所(2010年は8カ所でした)あるそうです。早速、自分の地域にある*6「 ひがし健康プラザ」の中にある地域包括支援センターに行きました。

要介護認定の申請

ここで言われたことは介護保険制度でのサービスを利用するために、サービスが受けられる状態かどうかの認定(要介護・要支援認定)を受けることが必要だということ。*7「認知症かどうか、専門医の受診(認知症相談)」をすすめてくださいました。
*8「介護保険」?確か私も40歳になったので加入して介護保険料を払っているということは知っているけれど、「介護保険」を使うっていったいどうしたらいいの? *9「介護保険」と「医療保険」は何が違うんだっけ? *10「介護保険料」っていくらくらい? どうやって払ってたっけ?

要介護認定は「歩行や排せつは……」など74項目の内容を元に認定されます。主治医さんからの意見書も必要になります(もし特定の主治医さんがいないときは区役所か地域包括支援センターで相談できます)。これら調査結果はコンピューター処理され、一次判定後、介護認定審査会による審査判定がでます(二次判定)。

今回は審査判定まで約1カ月かかりました。その結果、母の介護認定が認められ、結果は「要介護1」でした。
介護保険について何も知らなかった私にとって、要介護1が重いのか、それとも軽いのか、そこからしてわかりませんでした。いったい*11「要支援(1・2)」、「要介護(1~5)」って?

母のケアプラン

さて、要介護1と判定された母、このとき私は初めて*12「介護保険証」を見せてもらいました。
「要介護1」の認定を受けた後は、民間のケアマネージャーさんが母(利用者)の生活習慣や本人・家族がどんな生活を望むかについて調査をし、どのようなサービスを使えばいいのかを利用者と相談し、ケアプランを作成してくれました(要介護で1~5の判定を受けた人は、居宅介護支援事業所のケアマネージャーさんが利用者のもとを訪れてケアプランを作成してくれます)。
母のケアマネージャーさんは介護認定に基づき、毎月のケアプランを作成し、日々の介護サービスをコーディネイトしてくださいました。介護サービスはさまざまなものがあります。母が利用しているサービスは週に2、3回の*13「デイサービス」を中心に、*14「ホームヘルプサービス」、そして1、2カ月に1回の*15「ショートステイ」でした。母は人とワイワイ過ごすのが好きなのか、デイサービスがお気に入りです。

時には子どもたちやボランティアさんたちとの交流があったり、充実したプログラムに楽しそうに通っています。ヘルパーさんには食事援助などをお願いしました。父には介護ばかりでストレスになってほしくなかったので、それまで続けていたシルバー人材などを続けてもらうようにしました。
そんな父のシルバー人材の活動と母の病院の予定がぶつかってしまうときなど、*16「渋谷区独自のホームヘルプサービス」は助かりました。この支援を使って母を病院へ連れて行ってもらうことができたからです。

母が要介護1になってから、時折膝痛を感じるようになった母が車いすとなり、洗面所と流しを*17「住宅整備改修給付」を利用して住宅整備改修を行いました。父もケアマネさんにいろいろ教えてもらい、しばらくして父自身も「要介護認定の申請」をしました。結果、父は*18「非該当・自立」でした。
ところで、介護保険の要支援、要介護の認定有効期間は通常12カ月です。更新申請手続きの書類は、認定有効期間の切れる60日前に送付されます。有効期間が切れる前に手続きが必要です。

その後の両親

住み慣れた自宅でできるだけ介護をその後、母の認知症は少しずつ進み、要介護2となり、*19「地域密着型サービス」を中心に*20「認知症対応型通所介護」のデイサービスとショートステイを利用するようになりました。この頃になると、母がデイサービスでお風呂に入れることは父にとっても母にとっても大きな助かったようです。また、母がショートステイのときはなるべく好きなことをして、自分の時間を大事に使ってバランスを保ちながら介護をするようにしているそうです。
渋谷区の地域包括支援センターで行っている*21「リフレッシュ交流会」にも参加しているようです。そして父が75歳の敬老の日には渋谷区から*22「敬老金」を*23「民生委員」さんが届けてくれる、というサプライズもありました。このとき初めて民生委員さんに母のことを話して、それからは民生委員さんもたまに様子を見に来てくださるようになりました。渋谷区では月に2回、60歳以上の人に*24「高齢者入浴デー」があり、父はこれも上手に利用しています。

母は認知症がこのまま進むと、いつかは*25「特別養護老人ホーム」にお世話になることがあるかもしれません。2016年1月現在、渋谷区内に8カ所631人定員、区外協力施設が13カ所179協力ベッド数があります。でも住み慣れた自宅でできるだけ介護をしていくと父は言っていました。
渋谷区の区民健康センターでは*26「もの忘れ外来」があります。父は早速受診をしてみると言っていました。こういったものを早めに受けて、予防につなげられたらいいですね。
ケアマネさんの親切なサポートやケアマネさんの親切なサポートや渋谷区の充実した支援で、思っていた以上の支援を受けているようです。私も週に一度は実家に泊まるようにしていますが、この先は同居も視野に入れながら、日々仕事と時々介護の生活を過ごし自分の将来を考えている今日この頃です。


このストーリーで出てくる
単語について 詳しい 説明と
各リンクを 一覧でご覧いただけます。

PAGE TOP